はじめに
「またこの薬、メーカー変わったの?」
ある日の朝礼で、スタッフの一人が驚いた声を上げました。
調剤薬局では、医薬品の流通が不安定なことも多く、同じ薬でも仕入先のメーカーが頻繁に変わります。
今まではメインPCに付箋を貼って知らせていましたが、そのPCを見なければ分からないという欠点がありました。
そこで私たちは、「付箋から卒業」してGoogleスプレッドシートで一元管理することにしました。
付箋や口頭連絡では限界がある
- その場にいる人しか分からない
- 情報が更新されているか判断できない
- 誰がいつ変更したのか記録が残らない
特にジェネリックのようにメーカーが頻繁に変わる薬では、患者さんへの説明で混乱が生じるリスクもあります。
スプレッドシートで「メーカー変更台帳」を作る
スプレッドシートなら、ネットにつながっていればどの端末からでも確認できます。
エクセルと同じ感覚で使えるうえ、常に最新情報を全員が共有できるのが強みです。
① 項目の例
- 薬品名
- 規格
- 現在のメーカー
- 変更日
- 備考(欠品理由・納期など)
- 入力者
② フィルターで検索
- 「薬品名」や「メーカー」で絞り込み可能
- 患者対応のときでもすぐに確認できる
③ 自動保存&共有リンク
- 入力した瞬間に自動保存される
- 共有リンクを配布すれば、スマホやタブレットからもアクセス可能
運用のコツ
- 更新ルールを決める
→ 仕入担当者が入力、変更があったら当日中に更新 - 見やすさを工夫
→ 変更があったセルを黄色にするなど色分け - 通知とセットに
→ 更新後にLINEグループで「変更しました」と一言添える
まとめ
付箋管理からスプレッドシートへ移行するだけで、情報共有の精度は格段に上がります。
- 付箋や口頭の属人的な共有から脱却
- スプレッドシートで常に最新情報を一元管理
- 更新ルールと通知をセットにして運用
大げさなシステムを導入しなくても、スプレッドシートという無料ツールを活用するだけで、薬局の安全性と効率が大きく改善します。
👉 次回は、このスプレッドシート管理をさらに進化させ、Googleフォーム入力で自動更新する方法をご紹介します。

