調剤薬局では日々の業務に「ルーティン作業」が多く存在します。
例えば
- 毎朝の在庫チェックリスト送信
- フォームからの申し送りを見落とさずに処理
- 曜日ごとの発注リマインダー
これらは単純作業のように見えて、人の手に頼ると「ミス」「抜け」「属人化」が発生しやすい領域です。
さらに、スタッフの負担にもつながり、時間的余裕を奪ってしまいます。
「自動でやってくれたら楽なのに…」と感じたことはありませんか?
Google Apps Script(GAS)の“トリガー”を活用しよう
Googleが提供するGAS(Google Apps Script)には「トリガー」という仕組みがあります。これは、特定のきっかけでスクリプトを自動実行する機能です。
例えば
- 毎朝8時にメールで当日のタスクを自動通知
- スプレッドシートを開いた瞬間に発注リストを整理
- Googleフォームから申し送りが届いたら即座に通知
こうした自動化処理を、設定1つで確実に実行できるのがトリガーです。
GASトリガーの設定方法と代表的な使い方
簡単な例として”こんにちは”と毎週月曜日の9:00にスプレッドシート表示する解説をします

“こんにちは”が業務スケジュールだったり、在庫表だったらと考えるといい機能だと思いませんか?
使い方
- ラベルGASスクリプトでコードを書く
今回は以下の記事を参考にスプレッドシートに”こんにちは”と記載するコードを書いてください
- ラベルスクリプトエディタの右上「時計マーク(トリガー)」をクリック
- ラベル右下の「トリガーを追加」をクリック
- ラベル下記の条件で保存する条件
- 実行関数:
sendTodoList
- トリガーの種類:時間主導型トリガー
- 実行タイミング:午前8時
- 実行関数:

代表的なトリガーと活用例を以下にご紹介します
トリガーの種類 | 実行タイミング例 | 活用例 |
---|---|---|
onOpen | スプレッドシートを開いた時 | 朝礼タスクの提示 |
onEdit | セル編集時 | 入力ミス検知通知 |
onFormSubmit | フォーム送信時 | 申し送りの自動通知 |
時間主導型 | 毎日○時、1時間ごとなど | 期限チェック、定時業務通知 |
【注意点】
- シンプルトリガーはすぐに使えますが、ファイル操作やメール送信は不可
- インストール可能トリガーにすれば、より高度な処理が可能
- 実行時にエラーが出た場合は、GASの「実行ログ」で確認可能です
4. 効果:属人化ゼロ、業務の見える化、時間のゆとり
GASトリガーを導入することで、調剤薬局の現場は以下のように変化します:
✅ 業務効率化
- 繰り返し作業の自動化で、1人あたり毎日15分〜30分の削減
- 複数人で重複して行っていた確認作業がゼロに
✅ ミス・抜け漏れ防止
- 時間・操作ミスによる「見落とし」がなくなる
- 申し送りや在庫チェック忘れなど、ヒューマンエラーを防止
✅ 属人化の解消
- トリガーにより処理が自動で行われ、人が変わっても業務が回る体制に
- シフト制スタッフでも安定した業務運用が可能
✅ ビジネス的成果
- スタッフの「気付き」に集中でき、対人業務・フォローアップに時間を割ける
- 管理薬剤師や薬局長の負担軽減と現場の「見える化」が実現
GASトリガーで、調剤薬局の未来を“自動化”しよう
Google Apps Scriptのトリガーを活用することで、「開いたら動く」「送信されたら通知される」「毎朝リストが届く」といった自動化の第一歩を実現できます。
小さな効率化が積み重なれば、スタッフのストレスやヒューマンエラーも激減。薬局全体の生産性向上と、質の高い医療提供につながります。
\ まずは1つ、自動化してみませんか? /
GASのトリガーを活用した具体的なスクリプト例は、シリーズ記事で順次ご紹介していきます!