保険薬局向け:サイバーインシデント発生時の事業継続計画(BCP)を最短で作成する方法

薬局/中小企業事例

「BCPは必要なのは分かっているけれど、日々の業務が忙しくて後回しになりがち」
「監査で求められたから、ひとまず形だけでも用意したい」
そんな薬局に向けて、本記事では 最低限のサイバーインシデント対応BCP を短時間で作成する方法をご紹介します。

この記事を見ながら作業すれば、1時間以内に“監査で見せられるBCP” を形にできます。


まずはテンプレート思考で

BCPは分厚い冊子を作る必要はありません。監査で確認されるのは、

  • 作ってあるかどうか
  • 最低限の流れが整理されているか
    です。
    そのため「想定されるトラブル → 対応方法 → 連絡先」をシンプルにまとめれば十分です。

最低限押さえるべき内容(3つだけ)

① 想定するインシデント

  • 電子薬歴・レセコンの停止
  • ネットワーク障害
  • マルウェア感染

この3つだけでも十分です。


② 対応の流れ(例文付き)

  1. システムが使えないことを確認する
  2. 管理薬剤師へ報告する
  3. 紙薬歴・手書きで調剤業務を継続する
  4. ベンダーへ連絡し復旧を依頼する
  5. 復旧後に電子薬歴へ転記する

③ 連絡先リスト

  • 管理薬剤師 :000-0000-0000
  • システムベンダー:000-0000-0000
  • 本部担当者 :000-0000-0000

電話番号を書くだけでも監査では「整備されている」と判断されます。


3. 時間がない人向け:コピペで使える雛形

【サイバーインシデント時 BCP(雛形)】

  • 想定事象
     電子薬歴・レセコンの停止、ネットワーク障害、マルウェア感染
  • 基本方針
     患者対応を最優先に、紙薬歴・手書き処理により業務を継続する
  • 対応手順
     1. 障害を確認したら管理薬剤師に報告する
     2. 紙薬歴を使用して調剤業務を継続する
     3. システムベンダーへ連絡し復旧依頼を行う
     4. 復旧後に紙薬歴の内容を電子薬歴へ転記する
  • 連絡先
     管理薬剤師:______
     ベンダー:______
     本部:______

これを印刷して店舗に1枚置いておけば、監査での質問にも対応可能です。


4. プラスαで信頼度アップ

  • 患者説明用の一言を用意
     「システム障害のため、手書きでの対応となります。ご迷惑をおかけします」
  • 年1回、机上訓練の記録を残す
     「○年○月○日、システム停止を想定して紙薬歴の記入訓練を実施」

A4紙1枚にメモして残しておくだけで「実効性あり」と評価されやすいです


まとめ

  • 監査用に最低限のBCPを作るなら 想定事象・対応手順・連絡先の3つだけ でOK
  • 雛形を使えば 1時間以内に完成
  • 年1回の簡単な訓練記録を残せば説得力アップ

👉 まずは雛形をコピーして、自薬局の情報を書き込むことから始めましょう。